第20章 グレイ scene2
そう決まった途端、かずはゲーム機を置いた。
俺のスマホも取り上げた。
「だっこ」
子供みたいな顔して、甘えてきた。
「ん…おいで」
俺の胸の中にかずがころんと転がってくる。
「へへ…」
「嬉しい?」
「うん。さとにこんなことしてもらえるの、世界で俺だけなんだもん」
「…かずがこんなことするのは、俺だけ?」
「んー…」
「えっ」
「んんー…」
「ええっ」
結局、ちゃんと答えて貰えなかったけど。
まあ。
たまに翔ちゃんや相葉ちゃんに甘えてるの見てるからな…
彼氏としては、妬けるけど。
でもかずの彼氏は俺だもん。
だから…
くいっとかずの顎を持ち上げた。
「いいよ…誰に甘えても、かずは俺のものだもん」
「さと…」
「キス…して?」
かずが目を閉じて、顔を近づける。
「好きだよ…智…」
そう言って唇を重ねた。
俺たちは…
こうやってずっと、一緒にいる。
これからの人生の長い道のりを、一緒に歩いて行くんだ。
辛い時も、幸せなときも、
どんな時だって隣りにいるのは…
お前だけだよ。
「和也…愛してる」
見上げたかずの目から、ぽろりと綺麗な涙がこぼれ落ちた。
【ALL END】