第1章 《異常》
京治の心地よい声音と、肌を滑る彼の唇に心が満たされていく。
「病んでても異常でも…っん、私はいいよ。こんなにも相性が…っいいんだから…私は京治から離れられない…ううん、離れたくない」
這い回る彼の濡れた舌に反応しながら、私は言う。
「…鎖、解いてあげるね。痛かったよね、ごめん」
優しく手首と足首を撫でながら鎖を解く彼。
「ありがとう、うん…こっちの方が、楽に京治に抱きつける…」
すると彼は私をお姫様抱っこにして、数歩移動した。
そしてゆっくりと私を下ろす。
背中に柔らかい感触。ベットに寝かされた私の上に彼が馬乗りになる。
そのまま私達はゆっくりとお互いに溺れあっていった。