第3章 《言葉》
なんて言われてしまい、完全にノックアウトで、床にへたり込んだ。
「あぁ、でもね、京ちゃん」
「何だよ、もう…」
少しやけくそになって促してしまったことを後で後悔することになるとも知らずに、俺は返答する。
「京ちゃんの身体は妖艶で見てて飽きないけど、他の女の子には見られたくないから、これからは廊下のカーテンとドアの鍵はちゃんと閉めてお着替えして下さい」
「京ちゃんの弱点発見!」とでも言いたげな笑顔で振り向き、6時半に体育館入り口に行くから、と言い残して教室を出て行こうとする彼女。
文系、恐ろしや。これもある種の言葉責め…なんて考えながらたたんだ制服を急いでバックに入れて、彼女のあとを追う。
「、待って」
言われっぱなし、負けっぱなしは悔しいので、最後にひとつ。
廊下に出かけた彼女を教室に引きずり込んで、ドアを閉める。
「京ちゃん、どうしっ…」
俺を困らせる言葉を紡ぐ悪戯な口は、俺の口で塞いであげよう。
俺の弱点見つけて得意げになってるみたいだけど、俺はの弱点なんてかなり前から知ってる。
「仕返しだよ、はキスに弱いもんね?」
不敵に笑って、じゃあ行こうか、なんて言いながら、赤面する彼女の手を引っ張る。
「別にからかってたわけじゃないのに…初めは…」
なんてぼやきながらも手を握り返す。
ああ、可愛い。
俺に勝とうなんて100年早いね。