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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第9章 図書館にて



午後2時 東京大学総合図書館 拓実

拓実は『妖蛆の秘密』が、どこにあるかを館内のパソコンで調べていた。

「『妖蛆の秘密』と打って検索っと・・・。ん?この本は申請しないと閲覧ができない箇所にあるのか館員に聞くか」

拓実は移動して館員が受付している場所まで来た。

「あの~すいません」

「はい。如何致しましたか?」

「実は『妖蛆の秘密』という本を読みたいのですが、どうも申請が必要みたいで」

「『妖蛆の秘密』でございますね、少々お待ちください」

館員はそう言うと、手元にあるパソコンをいじり始めた。確認を取っているようだった。

「申し訳ございません。そちらの本を閲覧するのには、東島准教授の許可が必要です」

「そうなんですか!?どうしても、その本が見たいんです。何とかなりませんか?」

「そうですね・・・。准教授は日曜日の午前中なら自分のオフィスで研究をなさっています」

「なら、日曜日の午前中に訪問すれば会えるということですか?」

「はい」

「分かりました。ありがとうございます」

拓実はその場を離れ思考を巡らせた。

(日曜日か・・・。早めに会いたいが向こうにも予定がある。待つしかないか・・・だが、会ってもこちらの要求に応えてくれるか微妙なところだな)

「取りあえず戻るか・・・。皆も調べ終わっている頃合いかな」


午後3時30分 東京大学総合図書館

偶然にも全員が同じタイミングで調べものを終え集まっていた。

「じゃ、今回の成果を教えてくれ。先ずは初たちから頼む」

拓実の言葉に初は頷き口を開いた。

「結論から言うと鮎川の資料本が見つかった。そして、金の箱について、ある程度のことが分かった」

「俺が翻訳を頼まれた文章も分かったんですか?」

康介が尋ねると初は無言で頷いた。

「先ず、この金の箱についてだが・・・これはエジプトの第十四王朝に生きていて玉座を奪おうとした、ノフルウ=カのものだと言われているようだ」

「そうなのか、兄貴?まるで、誰かさんみたいだ」

「あん?何だよ、歩。オレにぶっ飛ばされたいのか?」

「歩先輩、モードレッドさん静かにしましょう。初先輩が何とも言えない笑顔でこちらを見ています」

マシュに言われ歩とモードレッドは初の方へ顔を向けた。その瞬間二人は大人しくなった。

「で、その金の箱は神々が与えたみたいだ」
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