第9章 図書館にて
マシュの言葉に歩は、それぞれに指示を与えた。そして新聞に目を通した。約1時間が過ぎた頃モードレッドが声を発した。
「見つけたぞ、歩!!」
「先輩、私も見つけました」
「あぁ、俺もだ」
3社の新聞に小さくではあるが記事が書かれていた。内容は共通していて1974年の3月にバイクの事故で若い学生が1人死に、もう1人が重傷を負ったという記事である。
「本当に死因が隠蔽されているな」
「警察が無能なのか、初の先生たちの口が上手かったのか、どちらかだな」
「そうですね。あっ!歩先輩、初先輩の先生たちの名前も載っていますよ」
「そうだな。兄貴の先生である、豊橋先生。それに例の鮎川」
「で、事故ったのは武川。重傷が吉野か。本当に何があったんだろうな」
モードレッドの疑問に歩は首を傾げた。
「まぁ、それらを俺たちで解き明かす必要があるな」
「はい。必要な情報が集まったので戻りましょう。他の皆さんも集まっている筈です」
マシュの言葉に歩とモードレッドは頷き、その場を後にした。
午後2時 東京大学総合図書館 康介
「訳せる材料は揃っているが・・・一応他に役に立つ本があるか見て回るか」
康介は館内を歩いていた。適当に歩いているとオカルトに関する本が置かれている区画に来ていた。
「ははは・・・オーパーツやムー大陸か。こんな所に金の箱に関する本があるわけねぇよな~」
康介は自嘲気味に言いながら一冊の本を手に取り目を通した。ざっと読むつもりだったが、康介が手に取った伝説的なムーの文化に関する本には、ムーのものだと言われている、海水に浸食された彫り物の複写が載っていた。
「ん?この彫り物、どこかで見たぞ・・・」
(確か、スマホの画像の中に)
康介はそう思いスマホの画像ファイルを見た。美希から送られてきた画像の一つと見事に一致していた。
(おっ、ビンゴだ。でも本には訳が載ってないな)
翻訳が載っておらす、文字の意味は不明だった。そして、同時に新たな疑問が生じた。
(この金の箱はエジプトの物だよな、どうしてムーの文字が?もしかして、古代エジプトはムーと交流があったのか?いや、交流が行われていたら沢山ムーの遺物が出てくる筈だよな。出てこないのは何故だ?まだ、発見されていない?・・・はぁ、アホらしい考えるのは辞めよう。取り合えず合流だな)