第9章 図書館にて
目が虚ろであり、エミヤの皮肉にも反応しない。警戒心もなく、ただ殺気立っているだけだった。まさに、人形と変わりなかった。
「お前たちは何者だ?」
「「「・・・」」」
エミヤの言葉を無視していた。いや、届いていないのかも知れない。そして、3人の不気味な男たちは、ゆらりと近づいてきた。不気味な言葉を発しながら。
「キッ、金・・・金ノ・・・」
「箱ヲォォォ・・・」
「ワッ、渡セェェェ!!」
(金の箱・・・?もしかして、棺桶の形をした?)
美希は不気味な男たちが発した単語に心当たりがあった。そして、疑問も同時に浮かび上がった。どうして、金の箱を所持しているのか知っているのか。美希が考えていると男たちはナイフを取り出し迫ってきた。
「貴方たちは一体?」
「チッ・・・。交渉の余地はないようだな。マスター!!指示をくれ」
「うっ、うん!!」
エミヤの言葉に我に返った美希は指示を出した。
「エミヤ、ジャンヌ。相手は人間だと思う。手加減して無力化を、そして話を聞き出そう」
「はい!!」
「了解した」
美希の指示通りにエミヤとジャンヌ・ダルクは動いた。ナイフを持っていようとも、サーヴァント対人間である。あっという間に無力化にした。男たちは気を失っていた。
「あとは・・・この人たちが目を覚ますのを待つだけ」
「たたき起こさなくて良いのかね?こいつらは君の命を狙ったんだぞ。そう悠長に構えて良いのかね?」
「これを言うと変だけど・・・妖怪ならいいけど人だよ?少し可哀相な気がする。もし、何かあったとしてもエミヤとジャンヌが守ってくれるもん」
「やれやれ・・・うちのマスターは甘いな」
「それが美希さんらしいです」
美希の言葉にエミヤとジャンヌ・ダルクは苦笑した。しばらくすると襲ってきた男たちのひとりが目を覚ました。
「ん・・・あれ?ここは・・?」
「ようやく、目を覚ましたようだな。いい身分だな、尾行して襲ってきてお眠りとは・・・」
「はぁ~?アンタ何言っているんだ・・・。俺は買い物して・・・」
エミヤの言葉を否定し男は自分の行動を思い返したが声が小さくなり困り始めた。
「俺は買い物して・・・そのあと何があったんだ?気がついたらここで目を覚ました」
「本当に心当たりがないのですか?」