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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第7章 調査


「なら、アルコールはお預けだな。俺は禁酒しているからな・・・」
「禁酒?」
「語弊があるようだから言っておく。単純に明日も仕事だから影響が出ないようにしているためだ」
小悟狼の言葉に対し初は納得し頷いた。
しばらくすると注文していた蕎麦が来たので手を付けた。
「土御門昼間のことだが・・・」
「ん?何だ?」
小悟狼が箸を置いて話しかけてきたので初も箸を置いて聞く姿勢を見せた。
「先生の口から出た鮎川 稔という名前を覚えているか?」
「あぁ・・・。先生よりも年上の人で、その人に導かれ柏葉辻に行ったんだよな。その人がどうした?」
「妙に引っ掛かりを感じていた、鮎川という男の名前にな・・・。そこで調べてみたのだが驚いたよ、殺されているんだよ、鮎川 稔は」
「・・・」
初は事態を把握できず言葉が出てこなかった。
すると、沖田が初の肩を揺すった。
「マスター、大丈夫ですか?」
「あっ、あぁ・・・大丈夫だ。どうして藤田は鮎川の名前を聞いて引っ掛かりを感じたんだ?」
「どこかで知っていた名前だったんだよ。気になり調べた結果、殺されていた。しかも柏でな。俺が刑事になりたての頃、過去に柏で発生した事件など調べていた。そこで目にしたのかもな」
小悟狼の衝撃の発言に初は目を丸くした。
「驚くには早すぎるぞ。鮎川の遺体から、ある部分が切り取られていたようだ」
「ある部分、ですか?」
沖田が復唱するように聞くと小悟狼は頷いた。
「そう、舌を切り取られていた・・・」
「なっ!?」
「どうしてそんなことを・・・」
初と沖田が驚愕した表情をみせた。
「犯人は捕まってなく目的は知らないが、普通の精神状態の人間ではないことは確かだろう。まぁ、殺人を犯してる時点で普通の精神状態ではないがな・・・」
「そうか・・・」
初はため息をつきながら言った。
しばらく沈黙が続いたが初は思い出したように口を開いた。
「残りの人たちも殺されているのか?」
「それは分からん、署のデータベースには載ってなかった。が、九条に預けた日記なら分かるかもな」
「なら、オレが明日会って聞いてみる」
「あぁ・・・そうしてくれ」
話が一段落したところで食事に戻り、途中まで食べ進めていたので食べ終えるには時間がかからなかった。
会計を済ませ店の外に出た時の小悟狼の表情は何とも言えなかった。
怒っているのか呆れているのか分からなかった。

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