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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第7章 調査


「牙突・二式!!」
小悟狼は刀を突き下ろし妖怪の頭蓋を砕いた。
その光景を見た妖怪は戦慄した。
小悟狼が一歩進むと妖怪が一歩下がる。
小悟狼は急に立ち止まると口を開いた。
「死ぬ前に一つだけ答えろ。最近、町で見かける妖怪が増えてきた。何かあるのか?」
「お前ら人間たちに教えたところで、どうにもならねぇよ・・・」
「ほう・・・。何かあるみたいだな。尤もその何かは推測だが、お前たちが恐れる何者かに住家を奪われたからだろう。どうだ?当たらずとも遠からずといったところだろう・・・」
「貴様・・・何故それを?」
妖怪は目を見開いた。
小悟狼の推理が当たったようだ。
小悟狼はニヤリと笑った。
妖怪は自分の身の危険を感じ逃げ出した。
「逃がすか」
小悟狼は後を追った。
しばらく走っていたが妖怪が急に立ち止まったので小悟狼は不思議に思い足を止めた。
すると妖怪の体から鮮血が噴き出て妖怪は崩れ落ちた。
「流石は沖田さんの秘剣だ」
「いえ、マスターの指示があっての勝利です」
妖怪が倒れた先には初と沖田がいた。
「二人とも無事みたいですね」
後に続きアルトリアが姿を見せた。
三人は見回りをしていたようだ。
「見回りか、土御門?」
「藤田!?その刀・・・もしかして妖怪を斬っていたのか?」
初は小悟狼が握っていた妖怪の血が付いた刀を見て言った。
小悟狼は頷いた。
「たまたま見かけたからな。沖田くんが倒したので全部片付いた」
小悟狼は沖田のことを、くん付けで呼んでいた。
正確には沖田が小悟狼に対し呼ばせていたのが正しい。
それには訳があった。
沖田が小悟狼と初めて会った時、小悟狼の正体が仲間であった新撰組の三番隊組長・斎藤 一の子孫であることを知り、あまりにも似ていたため呼ばせたのである。
と言うのも、斎藤 一が沖田のことを、くん付けで呼んでいたからである。
「斎藤さんの子孫だけあって、お強いですね藤田さんは。昔を思い出します」
沖田は生前のことを思い返した。
小悟狼は何も言わず見守っていた。
「これで、オレたちの仕事はないみたいだな。ありがとう、藤田」
「礼を言われるほど大したことじゃない。寧ろ一般的な考えだと礼を言うのは俺の方かもな、立場上はな・・・。が、一つだけ言っとく」
「何だ?」
「実戦は久しぶりなのか?僅かだが右腕が震えている。この程度で動揺していると死ぬぞ」
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