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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第7章 調査


誰の目にも明らかなほど、弱々しい筆跡で、しかもインクの色から見てごく最近に書き込まれたものであった。
(先生・・・。依頼は必ず達成してみます)
拓実は密かに決意し時計を見ると8時を過ぎていた。
「えっ!?もう8時かよ・・・。夕飯食べないとな」

午後3時40分 土御門神社
初たちはファミリーマートで買い物をすませ、無事に帰宅した。
「ただいま~」
「おう、お帰り・・・って、何があったんだ!?ジャケットを羽織って・・・しかも、血が付着してるし」
隆が慌てて初に駆け寄り心配な表情を浮かべた。
初は苦笑しながら病院での出来事を細かく説明した。
「そうか、豊橋先生が・・・。残念だったな」
「うん・・・。でも先生と会えて良かったよ。大事なことをオレたちに託してくれたんだし」
「そうだな、それだけ信頼されてるということだしな。美希はどうした?」
「あぁ、美希は式のところにいると思う。買い物を頼まれてたから」
「そうか・・・」
隆が短く言うと元の座っていたところに座った。
初もテーブルを挟んで隆の対面に座った。
初が座ると隆はお茶を出した。
「なぁ、父さん。40年位前、柏葉辻の近くで何かあったのか知ってる?」
「そうだな・・・」
隆は腕を組み首を傾げた。
「その頃は俺もガキだったからな。あんまり覚えてはないが・・・妖怪たちの様子が変だと、親父が言っていたな」
「変?」
「普段なら姿を見せないが、頻繁に姿を見せるようになった。まるで餌がなくなって町まで餌を探しに来る熊とかイノシシみたいにな。でも、それだけではないと思う・・・」
「と言うと?」
「縄張りを奪われた・・・って感じだな」
「へぇ~、なるほど」
初はお茶を啜りながら納得をした。
一方、隆は腕を組み直し疑問を口にした。
「柏葉辻を気にしているが、どうかしたのか?」
「それは・・・」
初は言うか言わないか迷った。
隆は初が口を開くのを待っていた。
長い沈黙が続いたが初は決心し口を開いた。
「豊橋先生たちが化け物を召喚したということによっての影響を知りたかった。豊橋先生がオレに託したことが、どれだけ大事なことか」
「なるほどね。でも俺からは何も言わないぞ。お前が決めることだ」
「わかった」
初はお茶を飲み干し立ち上がろうとした時、隆が口を開いた。
「さっきの話とは変わるが、今日は誰が見回りに行くんだ?」
「オレが行くよ」
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