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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第4章 400PV記念!!番外編:兄と弟


「おっ、俺は・・・この程度じゃあ、倒れねぇんだよ!!」
歩は立っていた。
歩の言葉は虚勢ではなかった。
その証拠に胸には、お札が付いていた。
歩の勢いに初は戦慄を感じた。
(次期当主というのは伊達ではないな・・・)

「次の一撃で勝負が付くな」
「やっぱり、エミヤもそう思うだね」
エミヤは頷いた。
「お互い必殺級の技を放ち、ダメージを受けている。それに加え技を発動させるため多大な魔力を消費している。どんなに見積もっても・・・お互い、一撃を放つのが限界だろう」
美希はエミヤの言う通りだと思った。
初と歩の最後の一撃を目に焼き付けようとした。

「流石に強いな、歩は。オレの予想を遥かに超える」
「兄貴の方こそ。正直、腕は衰えていると思っていたが・・・その逆だった」
初と歩は互いを称賛し微笑みあっていた。
「次の一撃で決着を付けるぞ、兄貴!!!」
「あぁ・・・」
二人は覚悟を決め武器を構えた。
「「土御門流」」
「大剣術《一刀両断》」
「刀術《昇龍断水斬》」
同じタイミングで技名を言った。
これで勝敗が決すると思った時だった。
「時間切れ、戦闘終了だ」
隆の戦闘終了の掛け声が聞こえた。
初と歩は唖然としていた。
「マジかよ!!」
「マジだよ、歩」
「引き分けって感じか、父さん?」
「そうだな」
初と歩の対決は引き分けという形で終わった。
「色々勉強になったぜ、兄貴」
「あぁ、オレも学ばせてもらった」

「やっぱり兄貴と戦うと疲れるな~」
「疲れているなら、休めばいいじゃあねぇか」
「クールダウンだ」
疲れたと言いながら歩は道場で素振りをしていた。
本人はクールダウンのつもりかも知れないが。
モードレッドはそんな歩のことを眺めていた。
「初の奴・・・あれだけの実力を持っていたとはな。いや、初にそんな実力はねぇ。きっと父上の前だったから力を発揮できたんだ」
「モードレッド。その考え方は、いくら俺でも有り得ねぇ。大人しく兄貴の実力を認めろ~」
「けどな、父上が初を剣とか右腕だ、って言ったんだぜ!?オレは絶・対、認めねぇ!!」
(反抗期のガキみたいだな・・・)

初は庭の木陰で休んでいた。
気配を感じ顔を上げるとアルトリアの姿があった。
「お疲れ様です、初。見事な戦い方でした」
「ありがと、アルトリア。とりあえず座れば?」
初が言うと、それでは失礼をしてと言って隣に腰を掛けた。
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