• テキストサイズ

Fate/Fantasy Of Cthulhu

第4章 400PV記念!!番外編:兄と弟


「答えられる余裕もねぇか・・・。あれだけの爆発だからな~。立っていられる兄貴には悪いけど、止めだ!!」
そう言って歩は水槍《水蛇式》を放った。
それに対して初は刀を振り下ろした。
「さっきも言った筈だぜ、兄貴?水は斬れるとーーー?」
歩の言葉は途切れた。
それは初が水槍《水蛇式》を斬ってしまったからである。
「何がどうなって・・・」
歩は驚きを隠せなかった。
「土御門流刀術《炎刀断水斬》・・・。刀身に刀の形に保っていられるギリギリの熱を伝えた。つまり、お前の攻撃はオレの蒼火に触れ蒸発しただけの話だ」

「お兄ちゃん、歩の攻撃によく耐えられたな~。勝負は、これからって感じだね」
「そうだな。だが、万が一の可能性を考えると初の勝ちが確定する」
美希はエミヤの言葉の真意を理解できず首を傾げた。
「分からないのか、美希?初は逆境に強い・・・。今まで初が危機に瀕していたが、今度は歩が初以上の危機に瀕することになるだろう。初が受けたダメージ分以上が喰らうことになる」
「そっか!!お兄ちゃんは歩の攻撃をギリギリ耐えたけど、それ以上を歩が喰らうことになるから、決着がつくんだね」
「あくまで理論的に、だがね」

初の技の説明により歩は苦笑した。
「世の中、常識に捕われてはダメということか・・・」
歩は大剣を構え防御の姿勢を見せた。
初の攻撃を警戒しているのが明らかだった。
「その構えが命取りだぞ、歩?」
「何!?」
初は手を上に翳すと不敵に笑って言った。
「火鎖《八卦火狼式》」
空に火の玉を放ちしばらくすると、遠吠えが聞こえた。
狼が八匹召喚され歩に向かっていた。
これは狼が縦横無尽に動き相手を拘束する技であり、さらに火の鎖なのでダメージも与えられる。
歩は初の予想通り翻弄されていた。
初の攻撃を防ぐ筈だったが、狼の動きで崩されてしまった。
正確には崩した、だ。
防御の姿勢のままだと完全に拘束されてしまうからである。
狼は歩を包囲し、一斉に飛び掛かった。
「俺を舐めるな!!土御門流大剣術《旋風陣》」
歩は飛び掛かった狼たちを一振りで消飛ばした。
だが、これも初の読み通りだった。
大剣は技を発動させた後の隙が大きい。
初はこれを狙っていた。
「火砲《千手撃墜水》!!」
1000を軽く越す火の砲弾が歩の頭に降り注いだ。
場は完全に初の勝利だという空気が流れていた。
だが・・・。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp