• テキストサイズ

Fate/Fantasy Of Cthulhu

第4章 400PV記念!!番外編:兄と弟


その時、アルトリアが咳ばらいをし、初の背中に言った。
「騎士王アルトリア・ペンドラゴンが命じる。漆黒の騎士、初よ。勝ちなさい」
初はその言葉に驚き振り向いた。
アルトリアが無言で頷いているのを見て初は微笑んで自分の胸に手を置き頭を軽く下げ口を開いた。
「王の御心のままに」
それを言い頭を上げるとアルトリアは優しい笑みを浮かべていた。
そして、初は歩が待っている場所に向かった。

「二人とも貼ったか?」
隆が言うと初と歩は頷いた。
「戦いを始める前に、お互い名乗ってからな。この場にいる全員に聞こえる大声で言えよ。先ずは歩から」
「マジかよ!!何て言えば・・・。こうなったら、勢いだ!!」
歩が深呼吸をし口を開いた。
「土御門家次期当主・土御門 歩!!先祖の名に恥じぬ戦いをするぜ!!」
歩が言うと拍手が聞こえた。
拍手された歩は照れた表情を見せていた。
「次は初」
「騎士王アルトリア・ペンドラゴンの・・・」
初の言葉が途中で途切れたので隆は首を傾げていた。
(何と言おうとしたんだっけ・・・)
「初は私の剣であり頼れる右腕だ」
「!!」
初は驚き振り向いた。
アルトリアが誇らしげに言っていた。
(アルトリア…。そこまで言われると思ってなかったな。でも言われた以上、期待に応えるとしますか)
初はアルトリアから視線を外し歩の方へ向き直った。
そして一呼吸を置いて言った。
「剣であり右腕の土御門 初だ」
「んだと!?」
歩の時と同様に拍手が聞こえた。
すると同時にモードレッドの声も聞こえた。
「父上の右腕はこのオレだ~!!歩!!初の奴をぶっ飛ばせ」
歩は苦笑した。
しかしそれはモードレッドに対してではなく、初にだった。
「兄貴、その名乗りは痛いぜ。いい大人がーーー」
「歩はオレの王を侮辱するのか?王がオレを剣と言った以上それは揺るぎなき事実であり、それを痛いなどと言うならば、言ってくれた王を侮辱しているのと同じだ。オレを侮辱するのは構わんが、王を侮辱するのは許さん」
(オレの王!?兄貴の奴、本気で騎士になっているつもりか?いや、兄貴だからこそ・・・ありえるか)
歩の言葉を遮り初が言葉を発した。
その言葉が場を緊張感に包み込んだ。
初は静かに怒っていた。
初をよく知らない人から見れば怒っていないと錯覚するかも知れない。
そんな僅かな怒りを場に居る全員が感じた。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp