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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第4章 400PV記念!!番外編:兄と弟


「覚悟、か・・・」
歩が呟くように言った。
エミヤは、その通りと頷いた。
「くだらないことで呼び止めて悪かった、兄貴」
「いや、そんなことはないな」
「これで一件落着だね」
美希が喜んでいた。
兄弟はいいものだ、と三兄弟は感じた。
問題が解決し解散になる時に隆が言ってきた。
「初の腕が衰えていないか見てみたい。歩と勝負をして見せてくれ」
「えっ・・・?」
「何を言ってるんだよ~親父は!!」
初は戸惑い歩は驚いた。
初と歩がいくら抗議しても隆が首を縦に振らなかったので、二人は戦うことになった。
「実戦だから、得物を忘れるなよ。30分後に裏庭に集合だ。その時に詳しいルールを説明する」
こうして、この場は解散となった。
美希は苦笑して、頑張ってと呑気に言っていた。
初と歩は各自の部屋に戻って準備することにした。

(兄貴と戦うハメになるとはな~親父は何を考えているんだ?)
歩はそう思いながら、得意な得物である大剣《水牙》を手にした。
歩の身長と同じくらいの大きさであり重量級の武器である。
「初と戦うことになったようだな、歩?」
壁に寄り掛かり腕を組んでいるモードレッドが声を掛けてきた。
歩は何も言わず、頷いた。
「歩が遣う《水牙》の前じゃ、初も赤ん坊と変わらねぇな~」
「その考えは甘すぎだ、兄貴がそう簡単にやらせてくれる訳がねぇ」
「そうだった、な・・・。初の考えが読めないことが多いもんな」
モードレッドの言葉に対し歩は頷いた。
そして、《水牙》を抱え部屋を後にした。

一方、初は道場にいた。
初が扱う得物が道場にあるのもそうだし、戦う前の精神統一をしようと思ったからである。
「重っ・・・」
初は得物である、刀《蒼火》を手にした。
久々に持った感想がそれだった。
抜刀して刀身を確認し青みかかっているのが分かった。
それが《蒼火》の特徴である。
「震えているな、そんな状態で戦えるのか?」
初が振り向くとカルナがいた。
「無理だな。調子も相性も最悪だ。負ける確率は高いが、善戦するため考えるところだ」
「そう、か・・・。オレから上手い言葉は言えんが、全力で立ち向かえ・・・」
「了解だ」
初がそれだけを言い頷き道場の真ん中で座禅を組んだ。
カルナは邪魔にならないよう、道場の端で静かに初を見守っていた。

約束の時間となり、初と歩は裏庭で待機していた。
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