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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第3章 春という季節


初は自信満々に答えて気がついた。
「式はパラレルワールドからやって来た人ってことか・・・?」
「その通りだ」
隆は静かに頷いた。
「式の能力は?まるでアサシンのような感じがしたが、元々持っていた物なのか」
「その通りだ。彼女のスキルはアサシンだが、本当の能力は・・・」
「本当の能力は?」
初は復唱する。
とても大事なことだと思ったからである。
「神すらをも殺す直死の《魔眼》」
「《魔眼》・・・」
「彼女は死を視てしまう特異体質なため、様々な怪奇事件に遭遇し、これを斬り伏せてきたようだ」
「そうか・・・。って!!オレは、かなり危ない状態に居たってこと!?」
隆は頷いた。
初は今までのことを思い返し、背中が冷たくなるのを感じた。
「敵だと一筋縄ではいかないが、味方だ。これ程心強い人は居ないだろう?」
「そうだけど・・・。で、式のマスターは誰になるんだ?」
「お前だろう?」
隆は、何だその愚問は、と言わんばかりの呆れた顔をした。
「はぁ?」
「えっ!?式が言ってたぞ。「契約はちゃんとした。オレが戻れるまで、傍に居てやる」ってな」
「ちょいちょい待て・・・」
初は式との出来事を思い返した。
最後に握手を交わしたのを思い出した。
「あっ・・・あれか!!」
「そんな訳で頼むぞ、式は面倒見がいいからな。姉貴だと思い、頼ってみるのもありだと思うぞ」
隆は初の肩に手を置き言うと自室に戻って行った。
「父さん・・・」

初は風呂から出て自室に居た。
窓から外の景色を眺めていた。
すると、ノックする音が聞こえた。
初は向き直らず、そのまま外を眺めながら入室を許可した。
「失礼します」
「あっ、アルトリア?」
アルトリアだと分かり初は外から視線を外した。
そして、アルトリアに適当に座るように言って初は対面に座った。
「どうした?何か用か?」
初は冷静を装ってアルトリアに話しかける。
しかし、実際はとても緊張していた。
「その・・・用というほどのことではないのですが。少々・・・初とお話をしたく。その、迷・・・惑だった、でしょうか?」
アルトリアは恥ずかしそうに初に質問した。
アルトリアが恥ずかしそうにしていたので、初も恥ずかしくなった。
「めっ、迷惑じゃない・・・。何か、きっ、聞きたいことがあるのか?」
初の動揺が言葉に表れていた。
それに気がついてアルトリアが苦笑する。
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