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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第3章 春という季節


そんなことを思っていると女性は目の前にいた。
そしてナイフを振り上げた。
「がっかりだよ・・・。じゃあな」
何故だか女性は悲しげな表情をしていた。
そして、女性はナイフを振り下げた。
女性は初を斬り手応えが伝わるだろうと思っていたが、いつまでも伝わって来なかった。
最初は手応えが伝わって来なく驚いたが、次にはその感情は関心へと変わった。
何故なら初が女性の手首を掴み斬られていなかったからである。
「やるじゃん、オレを掴むなんて・・・」
(触れて気がついた。今まで不思議な人だと思っていたが、やはりこの人はサーヴァントに近い人間だ)
「また、だんまりかよ。そんなんじゃ・・・死ぬぜ?」
「・・・がっ・・・」
女性は言い終えるのと同時に初の脇腹に回し蹴りを放った。
女性の手首を掴んでいた初は避けることが出来る直撃した。
そのため、掴んでいた手首を放してしまい地に膝を付いた。
「なぁ、優男。オレが言うのも変だか、そろそろ反撃した方がいいと思うぜ。体勢を立て直す時間はやるぞ」
女性が言うと初は攻撃を受けた脇腹を庇いながら、ゆらゆらと立ち上がった。
「それは出来ないです・・・」
「何でだ?」
「貴女は本気でオレを殺そうとしてないからです。貴女からは殺気を感じられない、むしろオレを試そうとしている」
すると女性はフッと笑いナイフを下ろししまった。
「取り合えず合格だな。さてと、帰るぞ初」
「えっ!?帰るって・・・何処にですか?」
「はぁ・・・。お前は時間の家も忘れちまったのか?オレはそこで厄介になっている。気付いているんだろう、オレが普通の人間とは違うことに」
「そうだったんですか・・・。宜しくお願いしますね、ええっと・・・」
「両儀 式」
「宜しくお願いします、両儀さん」
「・・・」
初が言うと式は黙った。
その様子を見て初は慌てた。
式もまた、初の反応を見て笑った。
「悪い悪い。違和感を感じてな。式でいいよ」
「へっ!?」
「オレを呼ぶ時は式って呼べ。それから、似合わない敬語は使うな」
「はっ、はい!!」
「・・・」
式が無言で初を睨んだ。
「わっ、分かった!!これから宜しく、式」
初が言うと式は微笑んで握手を交わした。
「宜しく、初(マスター)」

式との戦いを終え初は土御門神社の前にいた。
鳥居を潜ろうとせず躊躇っていた。
それを見ていた式は呆れてため息をついた。
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