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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第3章 春という季節


「単刀直入に言うのが最善だと私は思います。変に言い回しをするよりも、その方が無用な混乱を避けられると思うからです」
ジャンヌダルクは美希を見つめて言った。
ジャンヌダルクの瞳と言葉から真剣さが伝わり、美希は納得したようだ。
「うん、ジャンヌの言う通り素直に話してみるよ」
「はい。美希さんなら必ず上手く伝えられる筈です」
美希はジャンヌダルクに礼を言い別れた。
そして、真っ直ぐ隆の部屋に向かった。
隆の部屋の前に着きドアをノックした。
「入っていいぞ」
隆の許可が下りたのでドアを開け美希は部屋に入った。
隆は書類に目を通していたが美希を見ると書類を置き美希の方へ向き直った。
「美希か・・・どうした?」
「さっき、九条さんから電話があって・・・」
「九条・・・あぁ、初の友人の」
「それで・・・お兄ちゃんが帰って来るんだって」
「・・・そうか、やはり、か・・・」
美希は隆が自分が想像していた反応と違う反応をしたので驚いた。
そんな美希を見て隆は苦笑した。
「もっと驚いた反応が欲しかったのか?」
「そういうことじゃないけど・・・その反応だと、お兄ちゃんが帰って来ることを知っていたの?」
「知っていた、という訳じゃないけど推測は出来ていたな」
隆が得意気に答えるので美希は不思議に思った。
「美希は九条くんから電話あった、と言っただろう?」
「うん」
「九条くんの職業は何?」
「探・・・偵・・・。あっ!?」
「気付いただろう。あの電話は依頼の報告。そして、九条くんに依頼をお願いしたのがロビンなのさ」
「あっ・・・。お兄ちゃんが帰って来ることを推測出来たのは、九条さんに依頼をお願いしているロビンを見たからでしょ?」
美希が言うと隆は微笑んだ。
「あれだろ?美希が見たかった反応は頭を抱え込んでいる姿だろう?」
「まっ、まぁね・・・」
「確かに、ロビンの電話を知らずに美希の話を聞いたら・・・頭を抱え込んで混乱するし怒りを覚えるだろう。何せ、バンドが解散してから家族やサーヴァントに連絡せずに行方を眩ませていたからな・・・。でも、ロビンの電話を聞いたから冷静に対応出来た。初はサーヴァントたちに愛されている、なら再会を楽しむほかないだろう?」
「うん、そうだね」
「少し灸を据えるけどな・・・」
「あっ、ハハハ・・・」
隆の言葉に対し美希は苦笑していた。
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