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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第2章 土御門一族


あ~だ、こ~だ、言い争っていると歩が残しているキノコの皿に箸が伸び、キノコが摘ままれ箸を伸ばしている者の口の中にキノコが吸い込まれた。
キノコを食べたのはアルトリアだった。
皆は、その光景を見て固まった。
「歩。キノコを恵まれない子どもたちに与えるのは立派な考えだと思います。しかし、如何なる理由であれ手を付けないというのは食物に失礼とは思いませんか?」
「そ、そうだな・・・。悪かった」
アルトリアの立派な言葉に歩は納得し反省した。
場はアルトリアのお蔭で和んだ。
隆がテレビの電源を入れると音楽番組が放送されていた。
その音楽番組の内容は初が率いる、ロックバンド「Libélula」の特集だった。
「兄貴のバンドじゃん!」
歩の一言で全員、頷いた。
「お兄ちゃんと最後、家で会ったのは四年前か~」
美希が懐かしむように言った。
「ったくよ~。初の奴、いいご身分だよな!周りは心配しているのに、本人はそれに気付いていねぇんだからよ~」
「それは違うぞ、モードレッド。初は気付いている。何故なら、私たちの生活費を仕送ってくれるからな。自分のことよりも相手のこと、それが初という男ではないか?」
「エミヤの言う通りです。初は昔も今も変わらない。それは喜ばしい限りです」
「初を懐かしむのは結構だがテレビの内容が入ってこねぇから静かにな」
隆に注意され静かになった。
皆はテレビに注目する。
初が一人でインタビューを受けていた。

「随分と緊張されていますが、大丈夫ですか?」
「何とか・・・(笑)」
「ライヴより緊張しますか?」
「勿論です。ライヴは慣れていますが、インタビューとか慣れないですね」
「そうなんですね。早速ですがお話をお伺いしたいと思います。バンド名「Libélula」は、どういう意味を込めて付けましたか?」
「意味ですか?特別な意味はありませんよ、「Libélula」は蜻蛉をスペイン語訳した物なんですよ」
「蜻蛉?」
「えぇ、蜻蛉は戦国時代の武将の兜に着けられているんですよ。武将たちは肉食で速い昆虫である蜻蛉が好きだったんだと思います。そこで僕も戦国武将に肖り蜻蛉をスペイン語訳した「Libélula」というバンド名を付けました」
「何故スペイン語を?英語の方がカッコいい音だと思いますが」
「あぁ、それは僕が単純にスペイン語が好きだからです」
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