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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第2章 土御門一族


「そ、そうなんですね(笑)。スペイン語が、お好きなのに今回のワールドツアーのスタートがスペインではなくイタリアなのは何故ですか?」
「すべての道はローマに通ず、という故事をご存知ですよね?」
「勿論ですよ。目的までの手段や方法は、何通りもあることのたとえ、です」
「意味はその通りです。由来はローマ帝国の全盛時代、世界各地からの道が首都ローマに通じていたことからのはご存知だと思います。そこでローマを起点とし世界を周りたいと思いました」

「何と!?ローマとな」
全員がその声に反応しテレビから視線を外した。
その声の主はネロである。
いつの間にか居間にいた。
「ネロ、いつの間に?」
「余は初がテレビに映っている時からいたぞ。皆、初に夢中で気が付いておらぬ様子だったがな」
歩の質問にネロは少し不機嫌そうに答えた。
誰も気が付いてもらえないと、そうなる。
「良かったね、ネロ。お兄ちゃんがローマでライヴをしてくれて」
「うむ!美希はよく分かっておる。欲を言えばローマに行き初のライヴを見たかったのだが・・・」
「だが?」
隆が聞き返す。
するとネロは満面の笑みを浮かべて一枚の紙を見せつけた。
それは・・・「Libélula」のライヴのチケットだった。
「日本でのライヴ・・・ふふ、しかも間近で初の勇姿を見ようしよう!」
ネロは上機嫌だった。
そのまま鼻歌を歌いながら、居間を出て行った。
相変わらず音を外していたが・・・。
「初のライヴ、ねぇ~」
「おっ!モードレッド、もしかして気になってるのか~?」
モードレッドが独り言を呟くように言った。
歩はそれを聞いて含みのある笑みを浮かべモードレッドを煽る。
「はぁ~!?歩、ぶん殴られたいのか!」
「みっともないぞ、歩とモードレッド」
「エミヤは引っ込んでろよ!たまには・・・って父上、どうした?」
モードレッドがアルトリアを気にしたので皆がアルトリアに注目した。
誰が見ても分かるようにアルトリアは落ち込んでいた。
「初のライヴに行きたかった・・・」
呟くように言った。
「チケットを入手できなかったのか?・・・」
エミヤが恐る恐る聞くと、アルトリアが首を縦に振った。
重い空気の中、隆が苦笑気味に口を開いた。
「俺たちは初の身内だぜ?あいつに連絡すれば何とかなるだろう?」
それを聞いたアルトリアは表情が明るくなった。
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