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世界は恋に満ちている。

第1章 一緒に帰ろう。


すき。

その言葉を聞いた瞬間、でてくる涙。
溢れて、あふれて…。
先生の首元に腕を回す。

「…ふっ、んっ…」

息が続かず漏れるふたりの吐息。

「せっ…んっ……せ…」

その言葉を発した瞬間、先生は急に唇を離した。
何分もくっついてた唇の暖かさが空気にふれ、少し冷たく感じた。

「ごめんっ俺…!」

我に返ったように先生は顔を赤くした。

「ひなに…生徒になんてこと…んっ!」

仕返しのキス。
でも、直ぐに離れる。

「…生徒じゃない。」

「えっ…」

「栗田 和樹が好きな1人の女の子。」

「…でも俺は…!」

「好きな人が届かない人でも、好きになったらこの気持ちはどうしようもできないのっ‼︎」

少し、叫ぶような声になってしまう。
そのとき、ブーッとひなケータイのバイブがなる。
見ると、友達からメールが来ていた。
『遅いね?なんかあった?』
少し悩んだ後、こんな顔でここから出られるわけないと思い、
『ごめんね、微熱があって行けなくなっちゃった』
とドタキャンのメールを送った。
『りょうかい、お大事に』
と、直ぐに少し怒った風の返事が返ってきたがそれすらも気になんない。
今は、涙でぐしゃぐしゃの顔を見られたくないから。

「帰ります。色々とすいませんでした。先生。」

そう一言言い残して玄関のドアを開けて出て行った。
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