第3章 目が覚めて…
男「おい、起きろ」
私「ん…あれ…えっ?」
目を開けたら、見覚えのある男が私の顔をのぞきこんでいた。そこで、私はすべてを思い出した。
(うわっ…恥ずかし///)
私「すいませんでした。た、助けていただいてありがとうございました!!」
男「あ…いや…」
(ここは意を決してっ!ひきこもりで友達がいない私を変えるべきっ)
私「あの、さっきのお礼がしたいんですが…」
男「いや…別に…」
私「いや、人に借りは作りたくないんですよ。本当になんでもいいですから」
男「ホントに…?」
私「もちろんです!!」
(この人、何を言い出すんだろう…?)
男「い、い」ブルブル
(なんか震えてるけど…)
男「家が欲しいッ!!」
私「」
男「あ…いや別にホームレスってわけじゃ…」
私「…(疑いの目)」
男「はあ…しょうがない…」
男は自分の兄弟のことやニートだったことなど、自分の身の上を包み隠さずぽつりぽつりと話した。猫のことも相談したら、あの猫は飼い主がいるらしい。ということで…
私「じゃあ要約すると、一松さんは無職のホームレスで貧乏なんですね…」
一『グハッ』
私「あ、あの傷つけようとした訳じゃ…」
一「どうせ僕はクズですよ。生きる気力のない燃えない生ゴミ」
私「まあまあ…あっ!!」
一「なんか思い付いたのかっ?」
私「とりあえず私の家来ます?」
一「」
私は反応のない一松をずるずると引きずって家まで運んだのだった。