第3章 目が覚めて…
「はあっ、はぁっ」
猫を追って私は運動を長らく拒んでいたゴボウみたいな足を必死で動かした。
疲労が限界に達しそうになったときだった。いきなり、何もなかった暗い路地裏で、色とりどりの猫達に囲まれている男の背中が見えた。
(わあ、人間を間近に見たのは5年ぶりくらいかも…)
男は振り返った。そして私の存在に驚いた。
男「っていうか、うわあああ!!」
(ん、コミュ障なのかなこの人?)
そして、私をまじまじと見て、言葉を放った。
男「あんた、誰?」
これはもしや…ウワサの出会い厨ってやつなのか!?
私女「わわわわわッ!!出会い厨だ!!」
チャット上でしか人と話していなかった私は重大なミスを犯したらしく、男はムッとした顔になった。
(やばいどうしよどうしよ…)
そこで、私の緊張と疲れはピークに達してしまったらしい。立ち眩みと似た感覚が私を襲い、膝から力が抜けた。そこで意識が途切れたのだった…