第2章 六つ子、命の危機
(最近あの痩せたショウガ色の猫がいない。あいつ、あんまり煮干し食べないから不安だったんだけど…)
「はぁー、どうしよう」
猫を撫でながら、自分のこれからの予定をたてる。
(とりあえずハローワーク行って、猫カフェとかペットショップとかの仕事を見つけるか…嫌だなぁ。って、こんな俺でも雇ってくれるとこ、あるの?)
一松が悩みふけっていると、後ろから、「にゃーん」と声がした。
(あの猫か。ちょっと太って毛並みも良くなった気がするんだけど…)
「っていうか、うわあああ!!」
猫の後ろに誰かいる。中学生くらいの華奢な女の子。ちょっとくりっとした黒髪ロングで、目が大きく、輪郭がはっきりしていて、肌がきれい。要するにかわいい。
一「あんた、誰?」
女「わわわわわッ!!出会い厨だ!!」
一(ちげーよ)
反論しようとしたそのとき、女の子はいきなり…
一松に倒れかかってきた。
一「はっ?えっ?あ、ちょっと!」