第1章 1:電脳少女と猫
「にゃーん…」
最近私の家のベランダに、ちょっと痩せている猫が来る。
(飼い主は…いないのかな?)
毛並みも悪くかわいくはない。むしろ不細工。だけど私はそんな猫にいつも餌を与え、かわいがっていた。
(さぁーってと、仕事やりますか)
1人で暮らしていて、何でも基本通販で買い、家で会社から言い渡されたゲームを作る。家からは一歩も出ない。それが私。
お金はかなり貰ってるけど…
(やっぱり仕事する気にはなれないなぁ~)
猫のことでも調べるかぁということで、ググる。タイピングは誰よりも速い自信がある。
『猫 品種 一覧』
あの猫と同じ見た目の猫は出てこない。ベランダの窓の外を見ると、さっきまで気持ちよさそうに日向ぼっこしていた猫は、いつの間にか去っていた。私はまたキーボードを叩く。
『野良猫 病気』
野良猫は病気を持っているだろうと思い検索したが、そこには思わぬ文字が写っていた。
殺処分
唯一今友達のあの猫は殺処分されてしまうかも知れない。相当ヤバイことだが、5年以上引きこもっている私には、今すぐ外に出ろなど無理だ。
明日にも後を付けてみよう。今は無理だけど。
…ガタゴトガタゴト…タンスをひっくり返す。
「あった!!!」
ワンピースを発掘。ちょうど春だしいいかな。ということで明日の準備完了!さ、お風呂入って寝ちゃおう。
じゃなくて!!
(仕事しなきゃ…)
結局夜3:00に就寝した私だった。