第7章 あとがき
それをみてこんな子を書いてみようと思いました。
雨が降っても傘は差さないという設定に。
今回、傘と雨が大きなテーマとなっています。
傘って雨を防ぐ道具です。
そして差すとわかりますが、相手の顔って隠れます。
もちろん自分の顔も。
それってなんか壁を作っているような気がしたんです。
彼女が雨の中、両手を広げていたのは、傘を差す人たちとの別離を表していたんです。
見てみないフリ、です。
だけど縁下くんと出会って傘の中に入る。
これは繋がりを持ち始めたことを意味しました。
実は夢主は、傘の中には縁下くんと黒尾くんの中にしか入っていません。
それは唯一信じられる人、心を許した人を意味します。
研磨とか音駒高校の人、烏野メンバーを信じていないのかと言われればノーですが、たぶん皆さんの中にもあると思います。
本当に信じられる人と言うものが。
そんな感じです。
だから傘の中に入っている時は二人だけの世界。
二人だけの空間。
それを表しました。
今回、このお話は「強さと弱さ」を表したくて書きました。
誰もみんな強くないです。
弱いです。
でも現代って、「弱いとだめ」っていう風潮が少なからずともあると思うんです。
強さと弱さってなんでしょう。
本当の"強さ"とは。
本当の"弱さ"とは。
それを考えてほしくて。
今回、彼らはたくさん悩んだし傷つきました。
でも大切なことを胸に刻めたと思います。
この作品を読んでくださった皆様の心に、何か、何でもいいんです。
「雨が好きになった」とかなんでもいいんです。
何か残れるような"何か"があればなと思います。
長々とあとがきっぽいものを書きました。
まとめることができないのが私の弱点です。
最後まで、読んでくださり本当にありがとうございました。
他にも作品を書いていますので、少しでも目を向けてくれればと思います。
Umbrella【縁下 力】
これにて終幕です。
アリス