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【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合

第2章 欲張りは失恋のはじまり



ピンポーン。

チャイムを鳴らすと、すぐにドアが開いた。

「これ」

ドアを開けてくれた京治の顔前に宿題の紙を突き出す。

「……」

たぶん私、泣きそうな顔してる。

数学の試験が赤点で、補習授業の最後にこの宿題の提出が命じられた。

一生かかっても解けそうにない問題。

すぐに京治に電話して泣きついたら、

『俺もちょうど話があるから、家で見てやる』

『いつならいい?』

『今日でいいなら、夜いるから』

こういう時、同じマンションに住んでいると便利だ。

ようやく7月の太陽が沈んで、赤葦家の広いベランダの向こうには夜景が見える。

「やっぱこっち側の方がいいね」

「なんで」

「スカイツリー丸見えだから」

京治の家からはスカイツリーが見える。

うちからは東京タワー。

同じタワーマンションでも部屋向きが違うから、見える景色も違う。

「誰もいないから、ここでいいか?」

リビングのローテーブルを指さされる。

「おばさんは?」

「夜勤。アイスコーヒーでいいか?」

「あ、うん、ありがと」

京治のお母さんは看護士で、月に何度か夜勤がある。

お父さんはずっと去年から海外へ単身赴任してる。

……そういえば、京治の家に来て、2人きりって初めてかも。

「はい。ガムシロたっぷりミルクたっぷり」

「あ、ありがと」

「てか、もうそれアイスコーヒーじゃないな」

「コーヒー苦いんだもん」

「苦いからコーヒーなんだろ」

グラス片手に並んで座る。

静かな部屋。

少し空いたベランダの窓から、心地よい風と一緒に道路の音が伝わってくる。

そっか、今2人きりなんだ……

2人きりって、いつぶりだろう。

高校入ったら、京治は部活で一層忙しくなった。

梟谷はバレーの強豪校と言われてる。

そこで1年からレギュラーってすごいことなんだとは思うけど、その分、中学時代より話したりする機会が減った。

それを寂しいって思うのは、私だけ?




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