【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合
第7章 一生モノの約束と男の純情
「もう一本っ」
「はい」
マネ先輩から投げられたボールをトスする。
バスッ。
キレキレの音。
「おい、俺今クロスの気分だったんだけど」
「すいません。じゃもう1回」
マネ先輩に目くばせして、ボールを投げてもらう。
「はい」
木兎さんがクロスが打てる位置にボールをあげる。
バスッ。
超インナーなスパイク。
おい、今クロス打ちたいって言ってなかったか……?
「なんだよ今のトス! 俺はストレートな気分だったのにぃ!」
「……」
ああ、そうか。
これは苛めか。
木兎さんは俺に腹いせしたいらしい。
「赤葦、もう一本!」
「はい」
しょうがない。今日は付き合ってやるか。
「先輩、もう1本、おねが……げっ」
ボールを上げてもらおうとマネ先輩をみたとき、逆にすごい勢いでボールが飛んできた。
ボンッ。
木兎さんの後頭部にクリーンヒットする。
「痛っ!」
「木兎、フラれたからって、赤葦にアタることないじゃん」
「はあああ!!?? 俺がいつアタったんだよ!」
「もうバレバレだよ! ホント、ケツの穴小さいんだから、あんた」
「だからフラれてないっつうの!」
「フラれたじゃん! それをいつまでもイジイジしちゃってさ~、で赤葦苛めるって、ホントあんたって恋愛じゃヘタレだよね~」
そんな油注ぐようなこと言うと、また面倒くさいコトになるからやめてほしい。
「そんなんだから、赤葦に彼女取られるんだよ」
「うるさいっ、うるさいっ、うるさいっ!!!」
あ、木兎さん、逆ギレした?
黙って溜息を吐く。
面倒くさいことになってきた。
こういう時は、サクッと最初に流れを切っておくことが重要だ。
「木兎さん、一応謝っておきます。すいませんでした」
ぺこっと頭をさげる。
恋愛に勝ち負けはない。
別に俺が謝る理由もない。
俺はあいつが欲しかった。誰にも譲れなかった。だから木兎さんから奪った。
別に悪いことじゃない。
でもまあ、頭を下げておいた方が筋が通るかもしれない。
それだけだ。
一応体育会系……?だし。