【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合
第6章 本当に欲しいモノを逃すのは男の恥
相変わらずの能面のような無表情顔が、じっと私を見つめてくれてる。
今言ったことは、間違いないって、安心させるように。
「おまえと幼なじみでさえなくなるって言われたら、すげぇ怖くなった。おまえを失うのが怖かった」
「……」
私だってそう。
自分で考えてつらかったんだよ……
私だって、怖かったんだよ……
「なあ、この前の……」
「赤葦ぃぃぃぃ~!!!!」
雰囲気を壊すような大声を上げながら、ものすごい勢いで木兎さんが走ってくる。
「プリンが逃げたっ!」
「……」
「え……」
プリン?
「セッターがいない! 早く来い!」
木兎先輩が京治の腕をがしっと掴む。
「無理ですよ」
「はああああ?」
「俺、これからこいつ駅まで送ってくんで」
「じゃあセッターどうすんだよっ!」
「知りませんよ。居残り練習の言いだしっぺは木兎さんなんだから、木兎さんが考えて下さい」
じゃあ、とスタスタ歩き出す京治の背中を追う。
「ねえ、私は大丈夫だから、行ってあげて」
「ほら、彼女だって大丈夫だって言ってるじゃん」
「大丈夫じゃないです」
「おまえ、どんっだけ過保護なんだよ!」
「大丈夫じゃないのは、俺のほうなんで」
「……は?」
「行くぞ」
有無を言わせない態度に、黙ってついていくしかない。
「赤葦~!」
「30分もしたら戻ります。それまで練習してるならその後つきあいます」
おっしゃっ!
木兎さんの嬉しそうな叫び声を背中で受け止めながら、ちらっと少し前を歩く京治の横顔を見る。
いつもの能面顔。
「京治、さっきのどういう意味?」