【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合
第4章 赤葦side:幼なじみでいられないオトコの苦悩
この前、木兎さんに頼まれて、あいつに木兎さんを紹介した。
「あ、あの赤葦の幼馴染の子? そうだ、木兎、付き合うことになったわけ?」
「へ? おい、なんで知ってんだよ!?」
「部員みんな知ってるけど」
「うおおおおおおおお!!!」
「木兎、うるさい~」
何を恥ずかしがってんだか。
部活前の体育館なんて、みんな気づくだろ、普通。
木兎さんは妙にキョドってたし。
「で、どっち?」
そういえば、その後どうなったのか聞いてなかった。
あいつからも何も聞いてない。
「あ~、もしかしてフラれたとか?」
「ち、ちげーよっ!!! べ、べつにフラれてねぇっつうの!!!」
OKしたのか、あいつ……
なんだ、好きでもないのに付き合えないみたいなこといってたくせに。
……って、俺が言ってどうする。
関係ないだろ。
木兎さんが好きだっていうなら、それでいい。
木兎さんは、ちょっと騒がしいけど、いい人だ。
裏表がなくて、好きになったら一途。
俺が引いて丸く収まるなら、それでいい、だろ……前みたいに。
「え、じゃあ付き合うことになったんだ~?」
「あ、いや、うん、まあ、その……」
珍しく木兎さんの歯切れが悪い。
「まあ、……なんつうか……そんな感じ?」
「どんな感じよ、それ……」
呆れ顔のマネ先輩に詰め寄られた木兎さんがこっちを見る。
「なんですか」
「いや、別に……」
「これ以上は俺は知らないですから自分でなんとかして下さい」
「そ、そんなんじゃねぇよ!」
「一応、木兎さんはいい人だって言っておきましたけど」
「……お、おう、サンキュ」
顔を赤くして口をとがらせる先輩は憎めない。
呆れることも多いけど、アタッカーとしても尊敬している。
だから……やっぱり俺は言えない。
大切だから、もう触らない。
壊したくないから、隠す。
もう、それしかないだろ……