【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合
第4章 赤葦side:幼なじみでいられないオトコの苦悩
「ねぇ、ねぇ、赤葦、赤葦って今彼女いる?」
「……は?」
いきなりなんなんだ……?
「だ~か~ら~、か、の、じょ、ガールブレンド」
どうも今の3年生は天然が多い。
この3年マネージャー先輩も割と空気が読めない系。
「なんですか、いきなり」
部活中だぞ、今。
「だって後で訊こうと思うと忘れちゃうから」
「……」
そういう問題じゃないだろ……
「で、いる?」
「喋ってると監督に怒られますよ」
「大丈夫、監督今トイレだから」
「……」
こういう機転だけは効く。
木兎さんと一緒だ。
野性のカンが働くタイプ。
自分とは正反対の人種。
「そんなこと、」
「おー、なになになになに! 赤葦って彼女いんのか!!??」
「木兎さん……」
面倒くさい雰囲気になった。
木兎さんはこういう話が好きだ。
自分は奥手のくせして。
「なんでもありません。さ、スパイク練しますよ」
「やだ、赤葦が答えるまで、打ってやらない」
「別に打ってくれなんて頼んでませんけど」
「うわ、赤葦の顔、めっちゃ能面……」
ゲラゲラ笑う2人に対して、もっと自分の顔から表情が消えていくのがわかる。
「うわ、顔、怖っ……」
「でもこういう赤葦狙いの子って結構いるんだよね~。木兎よりはるかに赤葦の方が人気あるしさぁ」
「ウソだろっ!! 赤葦のこと好きなのって誰だよっ???」
「勝手に話作るのやめてください」
「ウソじゃないよ、本当のことだし~」
だれだれさんでしょ……と指を折り始めたマネ先輩は真剣顔だ。そういう記憶力をもっと勉強に生かせばいいんじゃないか……?
ほんと、どうでもいい。
「それより木兎さんは、どうなったんですか?」
「お?」
とたんに木兎さんの目が泳ぐ。
「俺はちゃんと伝えましたよ」