第2章 女の感は働いたり働かなかったり
お登勢「それで、この時代ってやっていけそうなのかい?」
「まだ分からないです…でも、頑張りたいと思ってます。」
お登勢「そうかい、最近は物騒だからね、なるべく1人での外出は避けた方がいいよ。あ、それと…」
お登勢さんは最後まで言い切らずに店の奥へ言ってしまった。
ガサガサと物音が聞こえて、音が鳴り止むと同時にお登勢さんが私のところに戻ってきた。
すると私に少し大きめの袋を渡してきた。
「これは?」
お登勢「着物だよ。あたしが昔着ていた物で悪いけどね、その様子じゃ本当に一文無しだろうからこれで良かったらアンタにあげるよ。」
「そんな!悪いです!お気持ちだけで十分です!」
お登勢「どっちみちあたしゃもう着れやしないよ。アンタが使っておくれ。」
「でも…」
お登勢「アンタの私服じゃ目立ちすぎるよ、それにそのチャイナ服じゃチャイナ娘とキャラが被っちまうだろ?」
そう言ってお登勢さんは優しく笑った。