第23章 この想いをあなたに
次の日の朝、ほぼ同じだろうと言うタイミングで目を覚ました天音と銀時。布団の中でモゾモゾと動けばお互いの視線がぶつかる。言葉を交わさずとも笑が零れていた。
銀時「ぐっともーにんぐ。」
『フフッ、ぐっともーにんぐ銀さん。』
何故かぎこちない英語でおはようの挨拶を交わし布団を退け起き上がる。見事に荒れる髪の毛を手櫛で治す天音。ある程度研げば完璧とまでは行かないがおさまり始める髪の毛達。そんな天音の髪を羨ましそうに見つめる銀時、天音はその銀時の視線に気付き不思議に思う。
『どうしたんですか?』
銀時「いいよな、ちょっと手を加えれば綺麗になるたァ羨ましいわ。俺の髪の毛なんて年中無休で反抗期だっつぅのによ。」
『そうですか?でも私だってホラ、畝ってますよ?』
銀時「おまっ、俺なんて畝るとかそんな次元じゃないから、塒巻く勢いだから。」
銀時は自らの髪の毛を指で伸ばしそして離す。髪はくりん、と弾け元の位置に戻る。
『私銀さんの髪好きです、フワフワしてて気持ちいいです。』
天音は銀時の髪を触りながらそう言う。天音を相手に理性を暴走させてはいけないと思っていたが抑えが効かなくなってしまった銀時は、自分の毛を嬉しそうに触る天音の手を掴みもう片方の手で頭を引き寄せ唇を重ねた。
『んんっ!…ぎんさっ…ふっ…』
昨日の様な触れるだけのキスでは無く、銀時は何度も角度を変え啄むように天音の唇に食らいつく。初めての感覚に身体が痺れるが、まともにキスの仕方も知らない天音は呼吸の仕方が分からず僅かな唇との間から息を漏らす。しばらく楽しんだ後銀時は唇を離し、顔を赤らめる天音を見てニヤリと笑う。
銀時「あんま煽ってっと銀さん抑えられないから気を付けろよ〜。」
『も、もう!!銀さんのバカ!!』
怒る天音の頭をポンポンと叩き宥め、神楽を起こしに行くぞと銀時に言われ、何だかんだグチグチいいながらも天音は銀時の後をついて行った。