第22章 夢と現実
翌朝、体勢を一切崩さず爆睡する二人。それをニヤニヤと眺める新八神楽の姿があった。そんな二人の気配に気付く事無く眠り続ける天音達に、新八と神楽も喜びの限界が訪れ病院にも関わらず発狂した。
神楽「キャッホーーー!!!天音ちゃんが目覚ましたアル!!!」
新八「実際にはまだ目覚ましてないけど、ヤッターァァァ!!起きろこの野郎ー!!!」
新八は銀時を叩き起し、あまりの騒がしさに苛立ちを感じながら起き上がる。それに釣られ天音も目を覚ましゆっくりと身体を起こした。
『みんな…こんな朝早くに…』
神楽「天音ちゃん良かったアル!!もう少しで銀ちゃんが禿げてしまう所だったヨ!!!」
神楽は銀時を押し退け天音に抱き着き、定春もその横で天音の顔をひたすら舐め続けた。それに便乗して新八も天音の側へ近寄ろうとしたが、それは銀時の手により遮られた。
新八「……あれ、ちょっと銀さん、何で僕はダメなんですか。」
銀時「あぁん?俺以外の男がアイツに抱き着いていいとでも思ってんのかメガネ。」
新八は銀時に首元の襟を背後から捕まれ、不満そうに振り返って見れば鬼の様な顔で新八を睨み付けていた。とうとう身内にまで嫉妬をする様になったかと新八は呆れため息を零し、天音の側へ向かおうとしていた足を止め踵を返し銀時の方へ向かう。
新八「何なんですか僕にまで嫉妬するなんて。」
銀時「アイツは銀さんのだから。触っちゃダメだから。」
新八「はぁ…。って事はもう恋人になったんですか?」
銀時「何言ってんだお前。そんな事になってたらもう俺は幸せだけで飯食えるわ。もう飯いらねーわ。」
結局何も進展していない事を知り新八は少し残念に思ったが、昨日の今日でそれは無いかと納得し、視線を天音達に移しては目の前の何とも微笑ましい光景に口元は緩むばかりだった。