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【 銀魂 】徒然なる日々なれど…

第22章 夢と現実




銀時「……あの時は、助かった。感謝するぜ。」


土方「何だよ気持ち悪ぃ。あれはお前の為じゃねぇ、天音の為だ。」


銀時「人がせっかく感謝してるってのに気持ち悪いは無ぇだろ。」


いつもなら喧嘩が始まっているだろうが、さすがに今だけは二人とも恐ろしい程に冷静だった。真冬の冷たい風が微かに吹く中、銀時も土方もその場から動こうとはせず、二人がただ思うのは天音の事だけだった。


土方「そういえば、仮なら返さなくていい。」


銀時「は?どういうつもりだ?お前こそ気持ち悪いんだけど。」


土方「うるせェ。……アイツを、天音を幸せにしてやってくれればそれだけでいい。」


土方の言葉を聞いた銀時は驚きで言葉が詰まった。ついこの間までお互いが取り合っていたのに、あっさりと手を引かれ訳が分からず土方から視線を逸らされないでいた。銀時にとっては勿論有難い事だったが、土方と天音の間に何があったのか一切知らない銀時には理解し難い事だった。そもそも銀時は船での沖田がカミングアウトしていた事はてっきり冗談だと思っていた。


土方「何だよ、ここはライバルがいなくなって喜ぶ所だろ普通。」


銀時「あの時あのドS野郎が言ってたの、マジだったの?」


土方「……あぁ。とっくの前に振られてるよ。」


初めて真実を知った銀時だったが、喜ぶというよりも何故そういう事になったのかと分からないでいた。それに土方を振ったからと言って、自分の恋が実る訳でもないと思い、逆に不安を感じていた。


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