第22章 夢と現実
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銀時「ちょっくら外の空気吸ってくるわ。目覚ましたら速攻呼べよ。」
新八「分かってますよ。任せてください。」
神楽「心配しなくても目が覚めたらきっと一番銀ちゃんに会いたがるネ。」
銀時達はあれから病院へ行き、すぐさま天音の治療をしてもらった。もう少し遅ければ間に合わなかったと言われ、幸いにも一命をとりとめたが、医者からもいつ目を覚ますかはわからないと言われていた。新八や神楽は夜になれば新八の家へ行っていたが、銀時は24時間、ご飯を食べる時等以外はずっと付きっきりで側に居た。
銀時は疲れた身体を少しでもマシにするため屋上へと向かった。それと入れ替るように部屋に一人の男が入ってきた。
新八「…あれ?土方さんじゃないですか。」
土方「よぉ。…まだ、起きないのか?」
新八「はい…。いつかは目を覚ますみたいなんですが、やっぱりそれまでがもどかしくて銀さんも参っちゃって。」
神楽「あんな銀ちゃん見た事ないネ…。」
酷くしんみりとした空気の中、土方は見舞いの品を机の上に置いた。新八はありがとうございますと礼を言い、眠る天音に体勢を向け直す。この時土方は、天音の存在がどれだけ万事屋にとって大切な物かと改めて感じていた。そして土方はもう一つの用を済ませようと口を開く。
土方「そういえばアイツは何処に行きやがった?」
新八「銀さんの事ですか?銀さんなら外の空気吸うとかいって出ていきました。」
神楽「きっと屋上とかそこらへんに居ると思うネ。」
土方「ったく。男のくせにだらしねぇな。わかった、ありがとよ。」
土方はそう言い残し病室を後にして屋上へと向かった。