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【 銀魂 】徒然なる日々なれど…

第21章 それぞれが負う傷




高杉さん出ていったものの、河上さんは部屋から出ず私の所へ来ては腕をつかまれた。また腹でも殴られて気絶させられるのではないかと身を縮めたが、そうではなく私を部屋の外へと連れていった。


『あ、あの、何処へ?お願いですからもう解放してください。』


河上「そういう訳にもいかぬでござる。お前が解放される時、それは何かしらの形で白夜叉に負けることだ。」


『さっきから白夜叉白夜叉って、一体誰の事を言ってるんですか……うぶっ!』


私が質問をすると河上さんは突然止まり私はそのまま彼の背中にぶち当たり、何とも色気のない声を出してしまった。そして彼は振り返り私の方を見る。きっとこの状況からして驚いているのだろうけど、やはりサングラス越しでは一切の表情を読み取る事は出来なかった。


『いたた…止まるなら止まるって言ってくださいよ…。』


河上「すまない。主、何も知らぬのか?」


『知らないからこうなってるわけじゃないですか。』


河上「そうでござるな。」


そう言って再び前を向き歩き出す。結局何も語られず私はただ腕を引かれ歩くしかなかった。

そしてようやく太陽の光の元へと出た私は、薄暗い中にいたせいか眩しい光に目を掠めた。そこには高杉さんとこの前舟に乗っていたメンバーもまたそこに居た。前には江戸の街が広がり、後ろを見てみれば広い大海原だった。そこで私はようやく船に乗っていると理解した。ここは最上階なのだろうか下を見渡せば何やらたくさんの人が溢れかえり、下へと続く階段もあった。何事かと頭を悩ませていると船の入口であろう所からとてつもない爆音と煙がたちはじめた。その途端にさっきまで私の腕を掴んでいた河上さんの手は私の腕を離し、私の首へと回された。


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