第21章 それぞれが負う傷
土方「テメェらァァァァ!!まっじでふっざけんなよコノヤロォォォ!!!」
倒れ混んだ土方はすぐに起き上がり三人の背中に向かって怒声を上げた。その横で同じく倒れ混んだ沖田もゆっくり立ち上がり服に着いた砂を払い三人の背中を何事も無かったなのように見つめた。
沖田「ありゃ相当急いでますね。何かあったんですかね?」
土方「知るか。どーせまた禄でも無ぇ事やらかして誰かに追い掛けられてんだろ。」
沖田「そういえば天音さんの姿がありやせんでしたけど、あの様子じゃあ何かあった風にしか見えませんでさァ。」
勘の鋭い沖田はそう呟き、それを聞いた土方は眉をピクリと動かし再び三人が走って行った方向を煙草に火を付けながら眺める。沖田はそう言っているが、何の確信も持てない以上動ける訳もなく、土方は沖田に声をかけパトカーに乗り屯所へと帰っていった。
そして近藤の元へと向かい一息ついている時だった。
山崎「局長!!大変です!!!」
近藤「どうした?山崎、そんなに慌てて。」
山崎「そりゃ慌てますって!!何かよく分からないけど海辺に過激派攘夷浪士がわんさか集まってます!!」
山崎の言葉を聞いて穏やかだった屯所内には緊張が走った。その中で近藤は冷静にして立ち上がり、隊士達に司令を下す。
沖田「俺の思った通りでさァ。旦那達はきっとそこに向かってますぜ。」
土方「まさか…。そいつらに天音が拐われたとでも?」
近藤「今はそんな事を考えている暇は無い、俺達も行くぞ!」
そして新撰組は銀時達と目的は違えど海辺へと走った。土方は沖田の予想が頭から離れず、過激派攘夷浪士達の逮捕も勿論だったが、天音の事が気になり海へ向かっている途中ずっと頭から離れなかった。