第21章 それぞれが負う傷
そんな二人の前でソファーに座る銀時は不快を覚えた。天音が居ないストレスに加え、きっと何か知っているであろう二人がボソボソと聞こえないように話している事で、銀時の苛立ちは更に増した。
銀時「何なんですかお前ら!さっきからよォ!そんなに俺を苛めて楽しいですかコノヤロー!!」
新八「別にそんなんじゃないですって。それにしても何でよりによって今日に限って依頼なんですか。なんで断らないんですか。」
銀時「あぁ?断る理由なんて無ぇだろーが!餓死してぇのかお前は。」
何も知らない銀時は今朝入った依頼を受け、直にその依頼の為に新八達を引き連れて現場に行こうとしていた。大した依頼では無かったものの、常に家計が火の車の万事屋に取っては報酬が少なかろうが依頼は受けなければならない。
神楽(新八マジでどうするネ…これじゃあ天音ちゃん来た時ここには誰も居ないアル…。)
新八(でも依頼が入ってしまった以上どうしようも無いし、仕事が終わるまで天音さんにはここで待っててもらうしかないよ…。)
仮に新八か神楽が家に居たところで、銀時本人が居なければ意味が無いというのが問題だった。一人で依頼主の所へ行って仕事をして来いなどそんな事が言えるはずもなく、二人は元の計画を諦め、家を出る時に銀時には気付かれぬよう天音に宛てた置き手紙をする事にした。