第20章 お菓子は目分量で作ってはいけない
お妙「あら?これも私にくれるの?」
『あ、これ新八君の分です。』
お妙「わざわざありがとう。新ちゃんもきっと喜ぶわ。」
私はそれからお妙さんから新八君の話を聞いた。寺門通というアイドルが好きな事、彼女どころか女の子からモテない事。そんな彼に義理でもバレンタインでチョコをくれる人がいる事が嬉しいとお妙さんは言っていた。
しばらくそんな話を聞きながらまったりしているといつの間にか時間は過ぎ夕方になっていた。そんな中新八君が万事屋から帰宅し、私達の居る部屋へと来ていた。
新八「ただいま帰りました。」
お妙「あら新ちゃんおかえりなさい。早かったわね。」
『新八君おかえりなさい。あ、これ一日早いけど言ってたバレンタインのチョコ。強制的に渡すね。』
新八「ありがとうございます!!晩御飯食べた後のデザートまで取って置こうっと!」
新八君はそう言って嬉しそうにケーキを冷蔵庫で冷やすため台所へと歩いて行った。そしてまた三人で晩御飯を作り最後の食事をする。手を合わせると同時に、私の我が儘で二人を振り回してしまった事を反省し感謝した。そして箸を持ちご飯を食べ始めると同時に新八君が口を開いた。
新八「冷蔵庫に入ってるあの二つのケーキは銀さんと、神楽ちゃんの分ですよね?」
『うん、そうだよ。』
新八「僕てっきり天音さんの事だから土方さん達にも作ってるのかと思ってました。」
確かに私が銀さんに想いを寄せていなければ作っていたかもしれない。だけど今回のバレンタインは銀さんの為に作ろうと思ったもの。神楽ちゃんや新八君は万事屋の一員だから迷うこと無く作ったけれど、流石に土方さん達の分までは作る事は出来なかった。