第20章 お菓子は目分量で作ってはいけない
翌朝、万事屋ではほぼ眠れなかった銀時が目に隈を作りヨロヨロと冷蔵庫へと向かっていた。大好きなイチゴ牛乳を手に取るが、しばらくパッケージを見つめた後冷蔵庫へと戻し台所へ移動する。そしてコップに水道水を注ぎそれを飲み干した。
お妙の言っていたとおり好物でさえも喉を通らない銀時は、たった一日にして酷くげっそりし窶れていた。
銀時「俺、コレやばいんじゃね?鬱病とかなったりして。あ、でも鬱病って、鬱だと思ったら鬱病なんだよな?じゃあ俺もう鬱病だわ…。」
一人でブツブツ言いながら一切の気力が沸かない銀時は再び布団へと足を運ぶ。だが寝室に足を踏み入れたと同時に玄関の開く音が聞こえた。まさかと思い銀時は重い身体を必死に動かし玄関へと向かった。
新八「あ、銀さん、おはようございます。」
銀時「……なんだ、お前かよ。紛らわしいんだよ。」
新八「何ですかその言い方…。天音さんなら来ませんよ。」
その言葉を聞いた銀時は新八の元へと向かい、何とか天音の事を聞き出そうと必死になる。
銀時「な、なぁ、アイツ帰ってくるよな?土方くんとハッピーエンドとか無いよな?」
新八「だから僕知らないって言ったでしょ。銀さんが悪いんですよ。」
銀時「んな事わかってらァ!グチグチ言いやがって、だからお前は新八なんだよ!!」
新八「名前関係無いでしょうが!!……もう、心配しなくても大丈夫ですよ。」
新八は銀時の姿を見て反省していると分かったのか、ため息を零しながら現状を伝えた。銀時はそれを聞いて一気に身体の力が抜け、床にヘナヘナと倒れ込んでしまった。