第20章 お菓子は目分量で作ってはいけない
神楽「そんな事ないネ。元はと言えばあの眼帯野郎が悪いアル。何があっても天音ちゃんと銀ちゃんは相思相愛ネ。」
新八「え。ちょっと待って。神楽ちゃん今何て言ったの?」
神楽「あっ………。」
思いもよらぬタイミングで天音の気持ちを神楽によってカミングアウトされてしまった。神楽は不味いと思い顔がどんどん青ざめて行く。それは雨のせいでも、雲のせいでもない、紛れもない神楽の後悔からだった。だが天音は焦る事も神楽を責めることも無く優しく笑った。
『大丈夫だよ神楽ちゃん。いずれ分かることだし。』
新八「ええええええっ!!そうだったんですか!?いつから!?僕全然気付かなかったんですけどォォ!!」
『えーと…クリスマスの前辺りかな?』
何も知らなかった新八は当然驚いた。それに加え、神楽が知っている事も更に衝撃だった。
『でも私、今日銀さんと顔を合わせる余裕無いや…どうしよう。』
新八「それなら今夜一晩うちに泊まりますか?きっと姉上も喜びますよ!」
神楽「天音ちゃん新八、こうなったらあの天パギャフンと言わせてやるネ。私にいい考えがあるネ。」
天音は新八の言葉に甘え志村家に向かう事になったが、ここで神楽は不敵な笑みを浮かべ悪事を企み始めた。天音は流石に止めに入ったが、このままでは私の気が治まらないアル!と、聞く耳も持たず押しに負け神楽の案を渋々飲み込む事にした。
『あ、新八君、家に向かう前に少し買い物してってもいいかな?』
新八「僕は大丈夫ですけど、天音さんは大丈夫なんですか?」
『うん、大丈夫、じゃあ神楽ちゃんまた明日ね。来てくれてありがとうっ。』
神楽「気にしないでヨ!こっちは任せるアル!じゃ!」
こうして神楽は定春と共に銀時を懲らしめる為万事屋へ戻り、天音と新八は傘もささずずぶ濡れのままスーパーへと向かった。