第20章 お菓子は目分量で作ってはいけない
新八「あなた自分で何言ってるか分かってるんですか!?」
神楽「そうアル!!」
銀時「分かってらァんな事!!そのままの、『…ごめ、なさい…。』」
銀時が言葉を言い終わる前に、さっきの言葉に心を抉られた天音は消える様な声でそう言い残し、走って万事屋から出ていった。そしてその後を神楽と定春が追いかけるため続いて出ていった。新八も追いかけようと足を動かしたがすぐに止まり振り向かずに銀時に言葉を放つ。
新八「…あんな事言って本当に天音さんが万事屋から居なくなっても、僕達知りませんからね。」
銀時も振り向かずその言葉を聞き、新八が家から出て行ったのを察すると握った手に力が入り、気が付けばその拳は壁を殴り付けていた。
銀時「……ちくしょう。」
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『…………っ。』
天音は走りながら先程言われた言葉を思い出しながら大量の涙を流していた。事実、天音が何かをしたという事は無いがやはりこの女は自分が銀時を怒らせたと思っていた。今まで銀時に怒鳴られた事など無かった事もあり思い出したくなくても、あの言葉だけが頭から離れてくれなかった。
無我夢中で走り続けていたが体力も限界に近付き、気付けば万事屋から少し離れた公園へと来ていた。天音はフラフラとベンチへ向かい腰を下ろした。涙は止まることはなく、何度拭っても溢れ出してくる。そんな天音に同情する様に、空には厚い雲がかかり一粒、また一粒と雨が降り始めた。