第19章 男の嫉妬ほど見苦しいものは無い
ぐぅ〜っと私のお腹は音を立て、それに気付き部屋にいる全員が私に視線を集める。そりゃお腹も鳴るわよ。朝ごはん食べてから何も食べてないんだもの。ほら、もう夕方じゃない。結局お昼ご飯食べれなかった。
…って、あれ?
『夕方!こんな所で時間潰してる暇じゃない!ごめんなさい私ご飯作らないと駄目だから帰りますね!!』
そうだそうだそうだ!
もう銀さん達家帰ってるかな、まずいよー…。
みんな仕事で疲れて帰ってくるのに家にご飯無かったら可哀想、新八君に作らせるなんて事出来ない。
失礼しますと言い残しその場を去ろうとその場の全員に背中を向けたその時だった。誰かに腕を引っ張られ体勢を崩してしまった。そして額に何か柔らかい感触が一瞬当たる。それと同時にまた子さんの悲鳴が一室に響き渡った。
私の腕を引っ張ったのは紛れもなく高杉さんで、今何をされたのかも直ぐに理解できた私は即座に高杉さんから離れたものの、勿論焦るばかり。口をパクパクさせているとニヤリと笑い口を開く。
高杉「またコイツを落としたら拾ってくれよ?」
『っ!!絶対拾いません!先っちょにティッシュ詰め込んでやる!!失礼します!!』
何だっていうのよ、会うのまだ今日で二回目なのに普通あんな事しますか!どれだけプレイボーイなんですか!!
私はキッと高杉さん睨み訳の分からない捨てゼリフを吐いて船から出た。
私の渾身のセリフを聞いたその場の全員は私が居なくなった後、笑われていたなんて事は知るはずもない。