第19章 男の嫉妬ほど見苦しいものは無い
それから高杉と名乗る人はこの前のように直ぐにその場を去らず私に会話を持ち掛けてきた。
高杉「それでお前は一人で何をしている?」
『あ、そうだ。私昼ごはんを食べに…』
高杉「ほう?一人でか?銀時も随分酷いを事をする様になったな。」
『違います、みんない依頼で家にいないだけです。』
あたかも放置されてるみたいな言い方されたけど違う。いつもなら面倒くさがっても付き合ってくれるし神楽ちゃんや新八君だって。それよりこの人は一体銀さんの何なんだろう。知り合いなのかそうじゃないのか、でもこの前の銀さんの反応はあまり良いものじゃ無かった気がする。
…あまり、一緒に居ない方がいいのかな?
『じゃあ私、行きますね、もうそれ落としちゃダメですよ。』
高杉「おい待て。」
『何ですか?』
高杉「飯なら二度もコイツを拾ってくれた礼として俺が奢ってやろう。」
ま、まじでか。
帰ろうと思った瞬間これですか。お礼だと言われれば嬉しいけど、やっぱり何処か引っ掛かる。無闇に知らない人に着いていくのは危険かな、まだこの土地を知り尽くしたわけでもないし何かあっても抵抗すら出来ない。でもこの人は銀さんと知り合いみたいだし…大丈夫、かな?
でもご飯食べたらすぐに帰ろう。
『えっと、何処に行くんですか?』
高杉「行く気になったか、着いて来い。」
行き先は告げられる事は無く、私は高杉さんの背中を追ってただただ歩いた。