第17章 正月太りには気をつけろ
口を開いた天音の声に一同の視線が向く。話の続きを言いにくいながらも疑問を解くべく話し続けた。
『結局この人は一体…』
桂「申し訳ない銀時の想い人とやら。俺は桂小太郎。この世を変えるべくして戦う攘夷志士だ。」
『じょうい、しし…ですか…』
その様な単語を出しても天音には分かるはずも無い。だが天音の事情など知らない桂は淡々と話し続ける。話の内容も難しい単語も理解する事が出来ず頭がパンク寸前まで追い詰められる。いつの間にか天音の頭からはプスプスと煙が出ていた。
新八「あ、ちょっと桂さん、天音さんにそんな話しても分からないですって!」
銀時「って言ってもしゃーねぇだろ、コイツは天音の事情何一つ知らねェんだからよー。」
天音はしばらく目を回し円を描く様に身体が揺れていた。その間銀時達は天音がここに来た理由を大まかに話し桂も大体の事を把握した。
桂「ほう…そんな事が本当に。」
銀時「まぁコイツも帰る気なんてサラサラ無いみたいだし?原因なんて一度も調べた事ねェけどな。」
新八「そういえば天音さんがここに来たのは元々その原因を突き止める為にって事でしたもんね。」
当初はそんな内容だったなと銀時達は思い出す。結局手がかりを探すどころか、当の本人すらそんな事など忘れていた。