第16章 アクセサリーっていうのはそれぞれ意味がある
『あああっ銀さん鼻血が!!』
まさか垂れてくるとは思わなかった天音は立ち上がり寝室を一旦出て箱ごとティッシュを手にしてそれを銀時に差し出す。それを申し訳なさそうに手に取り再び鼻に詰め込む。
『だ、大丈夫ですか?』
銀時「大丈夫大丈夫。そのうち止まるだろ。」
そう言われてもやはり心配だった天音はもう一度立ち上がり台所へ向かい今度は氷を幾つか適当な皿に入れて再び寝室に戻る。銀時の前へ腰を下ろしその氷を鼻筋に当てる。
銀時「冷たっ!!ちょっと天音ちゃん何やってんの!!」
『あっ、ちょっと動かないでくださいよ!』
いきなり肌に触れる氷の冷たさに驚く銀時に怒る天音。反抗も出来ず鼻に集中する冷たさに渋々我慢しながら天音が氷を離すのを待つ。だがそんなすぐに離れる訳もなく、五分ほどしてようやくそれは離された。氷を当てられていた箇所は赤くなり急激に冷えていたが鼻血は見事に止まっていた。
『ふぅ…良かった、止まりましたよ銀さん。』
銀時「お前ちょっとオールマイティ過ぎねぇ?」
『え?そうですか?普通ですよ。』
天音はそう言いながら取り除いたティッシュや氷を片付ける。銀時はその様子をただ見つめていた。