第16章 アクセサリーっていうのはそれぞれ意味がある
『はぁ…もうヤダ〜…絶対見られちゃった…』
真っ暗な寝室でポツリと呟きため息を零す。一見見られた事にショックを受けているように思えるがこの女は違う。こんなだらしない身体を見た銀時の目に毒だと、つくづくどこまでも思考回路が斜め上なのだ。もちろん恥ずかしさもあるが前者の感情を遥かに上回るものだった。
銀時「おい、服ちゃんと着たか?」
『へっ!あっ、まだですちょっと待ってください! 』
そんな事を一点集中で考えていた天音は襖越しから聞こえる銀時の声で間抜けな声を出しながら肩をビクつかせる。そういえばまだ着直してない服の事などすっかり忘れていた天音は急いで乱れた服をしっかり着直す。
『あ、大丈夫です。治りました。』
銀時「開けるぞ〜。」
天音の返答を確認した銀時はスーッと襖をゆっくり開けた。天音は布団の上でゆったり座っており、銀時も襖を閉め自分の布団へと足を運び腰を下ろす。天音は銀時の方を見るがその視線は目ではなく鼻の方へ向かうに連れて徐々に赤に染まる鼻の穴に抑えられたティッシュだった。その僅かな視線のずれに気付き銀時はサッと詰め込まれたティッシュを取るが、可哀想な事にさっきまでの勢いは無くなったものの鈍い速度で重力に逆らえない鼻血達が垂れる。