第11章 居心地の良い家もあれば悪い家もある
こんな状況でのおかしな自己紹介。
とはいえ名乗ったのは天音で、相手は言葉を発しないまま固まっている。
目の前にいるのは赤縁眼鏡をかけた薄紫色の髪を纏った女。何故このような女がこんな所で、ましてや布団の中でモゾモゾと何をしていたのか考えれば考える程答えにたどり着くどころか、迷宮入りしてしまう天音だった。
天音「あ、あの…あなた誰ですか…こんな所で何してるんですか…」
?「アタシ?アタシは猿飛アヤメ。何してるってそりゃ銀さんがくるのを待ってたに決まってるでしょ?」
天音「決まってるでしょと言われても…。」
初対面の人間に、知ってて当たり前みたいな言われ方をされ心底戸惑う天音。
そして今度は猿飛が天音に対して口を開いた。
猿飛「アンタこそこんな所で何してるの?もしかしてアンタも銀さんのストーカー?やめてくれない?キャラ被っちゃうじゃないの。」
なんとも失礼な発言をポンポンとぶつける。
そしてストーカーではないのにストーカーと罵られ、更に自分で自分をストーカーだと認める始末だ。