第9章 頭を回転させるにはやはり糖分が必要
振り返った人物は菅笠を被り、片目は包帯に覆われていた。
そして天音を見るなりフッと笑い口を開く。
「お前、銀時の女か?」
いきなり何を言われたかと思えば銀時の名前が突然出てきた事に驚く。
いつもならそんな事を聞かれれば赤面して否定をする所だが、知り合いなのかと疑問に思い今回ばかりは普通に対応出来る事が出来た。
天音「銀さんの知り合いの方なんですか?銀さんならあそこに…」
「高杉晋助。」
天音「へ?」
「俺の名だ、覚えておくといい、そのキセル感謝するぜ。」
質問をスルーされ、突然名前を名乗られ、手に持っていたキセルをヒョイっと自分の手に戻し、それ以上は何も言わずその場を立ち去っていった。
いきなりの出来事にその後ろ姿をポカンとした顔で眺めているのであった。
すると後ろから銀時に声をかけられる。
銀時「おい!大丈夫か?」
天音「え?大丈夫って、何がですか?」
ただ落し物を渡しただけなのに何をそんなに焦っているのかと不思議に思う。
天音に何も無かった事を知り安心したのか、理由は何も言わず店へ戻ろうと踵を返した。