第9章 頭を回転させるにはやはり糖分が必要
すると横に座っていた客が立ち上がり二人の前を通りすぎる。
天音「…ん?」
カラン、と足元に転がってきたのはキセル。
どうやら目の前を通過した人間が落とした物だ。
だがキセルの事は愚か、名前も用途も分からない天音は首を傾げたが、それを手に拾う。
銀時「!?」
そのキセルに見覚えのあった銀時はその落としたであろう人物が歩いて行った方を見る。
そしてそこにも見覚えのある後ろ姿。
ハッとし天音に声を掛けようとしたが、そんな間も無く立ち上がった天音はその見覚えのある人物の元へとそれを持ち走って行く。
銀時「あ!おい、待て!」
銀時の声も虚しく天音の耳には届いておらずこちらに振り返らぬままその場を離れていく。
天音「あのすいません、これ落としましたよ!」
天音はその人物に声をかけ、その声に気付き振り返った。