第1章 憂鬱、混乱、そして出逢い
「でもこの時代で生きていくと言っても
正直どうしたらいいかわからないですけどね、ははは…」
帰れなくてもいいとは思ってはいたものの
これだけは本当に不安だった。
現世にいれば、まだ何とかなってたけど
この時代には現世よりも居場所がない。
その厳しい現実だけが私を不安にさせた。
?「それは俺が何とかしてやるよ。」
「へ?」
思いもよらない言葉が帰ってきて思わず
間抜けな声が出てしまった。
?「お前と出会ったのも何かの縁だ。
お前を助けてここに連れてきたのも俺が勝手にした事だ。
安定するまでは俺が何とかしてやる。」
「………ふっ、ふぇっ…」
見ず知らずの人間にここまで優しくしてくれる人がいるだなんて思いもしなかった。
私は現世での出来事と照らし合わせてしまい
我慢していたものがはちきれたのか、その場で泣いてしまった。